2020イヤーカー「レヴォーグ」の実力を超強豪「3シリーズ ツーリング」の胸を借りて試した
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:市 健治 195
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:市 健治 195
……いきなり結論であるが、このラウンドは318i ツーリングの圧勝だった。
レヴォーグのデザインと質感もカタログ写真で見る限りではいい感じであり(特に内装)、実際に生で見ても、なかなかよろしいものではある。スバルにしては、というか国産ミドルクラスとしては「素晴らしい!」と評せるものだ。
だが「敵」は、やはり一枚も二枚も上手だった。
樹脂や革の質感と、そのあしらい方。ボディ全体の好ましい塊感や、細部の作り込みというかセンス。……これらはもう「意外と善戦するのでは?」と想定していたレヴォーグの出る幕などなく、「欧州の歴史がもたらすエレガンスとセンス」に完敗するほかなかった。例えて言うなら318i ツーリングが「ハリウッド女優」で、レヴォーグは「朝ドラのヒロイン」といった感じか。
ただもちろん、「ハリウッド女優なんかより、俺は朝ドラヒロインのほうが好きだ!」という考え方や感じ方もあるだろう。そして責任審判の私も、個人的にはそっちの口である。
----------------------------
第1ラウンド「オーラ対決」
10点:318iツーリング
7点:レヴォーグ STIスポーツEX
----------------------------
続いては第2ラウンド、市街地や国道などを走ってみての「普段使い対決」である。
責任審判が普段使っているレヴォーグ STIスポーツEXは、タウンスピードにおいても快適そのものであり、それと同時に、運転マニアの琴線に触れまくる「いいモノ感」もある。いいモノ感とは、具体的には「ボディ全体を含むそこかしこの剛性感が高く、ドライバーの操作とイメージにきわめて忠実に車が動いてくれること」とでも言おうか。
なんてことのないカーブを曲がる際の「ひらりと曲がるのだけど、同時に戦車のような重厚感も感じる」というレヴォーグ独特のフィールは、ちょっと気持ち悪いほどに気持ちの良いものだ。
唯一、微妙な点はCVTか。
全面的に刷新されたというCVT(リニアトロニック)は、筆者が直近まで乗っていた現行型前期スバル XVのそれと比べると、いわゆる「CVTっぽさ」はほとんど感じられない。それゆえ筆者個人は、レヴォーグのCVTについての不満はまったくない。
だが「CVTっぽさはほとんど感じられない」ということは、別の言い方をすると「少しは感じる」ということでもある。何らかの事情で急加速気味にアクセルペダルを踏む際には(一瞬だが)エンジン回転だけが先に上がり、「あぁ、CVTですね」と感じるのだ。
前述のとおり筆者はそこを特に不満には思っておらず、多くのユーザーもほぼ同様に感じるのではないかと推測する。だがMTを唯一神とし、その下座に多段ステップATを置いている一部の各位は、ここがどうしても我慢ならない可能性はあるだろう。
いっぽうの318i ツーリング。これの市街地および国道における「いいモノ感」も相当である。いいモノ感の中でも「重厚感」については間違いなくレヴォーグより上で、最新世代の快速戦車の車長にでもなったような気分は、ドイツ物ならではの感慨と言えよう。
また318iの搭載エンジンは、同じ直4ガソリンターボでも320iより若干デチューンされた最高出力156ps/4500rpm、最大トルク25.5kgm/1300~4300rpmで、新型レヴォーグの177ps/5200~5600rpmおよび30.6kgm/1600~3600rpmより数値はやや劣っている。
だが体感としての市街地&国道におけるパワーおよびトルクは「ほぼ互角」といったところで、なんなら318iのほうが若干力強く感じる(気のせいかもしれないが)。またさすがに最新世代のステップ式8速ATだけあって、変速フィールと力の伝わり方フィールも、若干だが318iが上と見た。
しかし318i ツーリングは「重い」。
いや実際の車両重量はレヴォーグ STIスポーツEXが1580kgで318i ツーリングが1610kgなので、さほどの違いはない。だが318i ツーリングは真っすぐ走らせてもカーブなどを曲がらせても、とにかく「なんだか知らないけどかなりの重量物が動いているなぁ」という感触を、ドライバーは常に感じることになる。それが良いことなのか悪いことなのかの判断はおくとして、とにかくそうなのだ。
いっぽうのレヴォーグ STIスポーツEXは、先に述べたとおりの「戦車っぽいが、同時にひらりひらり系でもある」というフィールなので、責任審判としては「市街地&国道走行フィールは、微妙な判定だがレヴォーグが上」としたい。
なお、運転に関しては素人である今回の責任審判ではなく、スバルの社内テストにおいてもレヴォーグの「操舵にレスポンス良く曲がる(車が向きを変えたと感じる時間の早さ)」は、BMW 3シリーズ(318iではなく330iだが)のそれを大幅に上回り、アウディ「A4 アバント」やメルセデス・ベンツ「C200」も上回っている。
----------------------------
第2ラウンド「普段使い対決」
10点:レヴォーグ STIスポーツEX
9点:318iツーリング
----------------------------
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
トヨタの豊田章男会長、不正発覚で陳謝 認証プロセス異常を管理する仕組みを年内に構築
ボルボの最新BEV「EX30」の全身に息づく"ほどよきこと"の魅力
トヨタが発表した不正行為と対象車種の一覧
「5ナンバー車」もはや中途半端? 規格を守る意義 “ちょっと幅出ちゃって3ナンバー”と、実際違いあるか
『フェルスタッペン×アロンソ』“最強タッグ”の可能性はあったのか? レッドブル重鎮マルコ「チームを良い方向に進めるのは難しかっただろう」
[サウンド制御術・実践講座]「タイムアライメント」を使いこなせると、演奏を立体的に再現可能!
【途中経過】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝1時間半時点
ステップワゴン、ZR-Vなど4車種が価格改定 原材料価格と物流費が影響
【販売店も確信】次期「デリカD:5」やはり開発中。独自ボディとPHEV化で「デリカD:6」を名乗る?
“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】
【そもそも買えるの?】ランクル300と250、レクサスLXとGX。“最強に買い”なモデルとは
【228万円】一番安いのに装備が充実…? 「マツダ3 ファストバック 15S」はアリかナシか
売れてる軽EV「サクラ」がライラック×黒の乙女系2トーン追加や仕様向上。価格は約4~5万円上昇
こっちが本命? ノートクロスオーバーがデザイン一新。タフ感強調で本家よりアリかも…?
【電動ツインブースト!】新型「911」の目玉はハイブリ搭載「GTS」。加速が大幅進化の理由
ヒロミ絶賛の乗り心地、電動トノカバー高すぎ!? 発売から3ヶ月経ったトライトンのユーザー評価は?